Renovation of Sensitivity house
-感受性のリノベーション-

JACK 全国リフォームアイデアコンテスト2021 準グランプリ

・計画の経緯
東京都多摩市、築45年の木造二階建ての改修である。施主は私の祖母であり、断熱改善と老後を快適に過ごすための提案を依頼された。独居には広すぎて、古家である故に床・壁・天井・窓、いずれも断熱性が悪かった。当初は、吹き抜けや、壁を抜いて部屋を大きくすることで、新たな暮らしの可能性を模索していた。しかしそれらは、開放的にはなるが独居にはがらんどうすぎ、空調効率も悪くなるため、デメリットが多かった。そこで、限られた予算内で、シンプルな操作で大きな変化を感じることのできる手法を模索しなおした。

・あえて揃えた4つの正方形平面
既存建物が、10畳の長方形ボリュームが4つ組み合わされた平面であったことに目を向けた。10畳のボリュームを、それぞれ8畳と2畳に分けてみると、8畳は、用途や特徴は異なるが同じ大きさの正方形平面の4部屋となり、2畳は、これらの部屋をシンプルに繋ぐ廊下となる。既存平面に廊下を挿入することで、壁量が増え、構造耐力が増し、各部屋が小さくなったことで、空調効率も向上した。独り暮らしのスケールにあった適度な広さが祖母には心地よく、正方形平面はどことなく日本らしい落ち着きをももたらしてくれるのである。

感受性のリノベーション
部屋の大きさ・形の違いは、空間の印象に大きく影響を与えるが、それらをあえて同一にする。つまり、印象に直結する要素の一部を固定することで、その他の要素を強調させる。廊下が視覚的・体験的なバッファーとなって空間を分断し、4つの部屋の独立性が露わとなる。元々ある庭の景色/光の入り方/風通し/開口部の向きや大きさ/天井の造作など、今まで意識の向けられることのなかった要素に対して、意識を向けさせる。既存の建物の記憶や、周囲の自然環境に対する感覚を再構成する、感受性のリノベーションである。



↑構造的なイメージを膨らませる

↑大きな部屋をつくる検討

↑吹き抜けの可能性について検討

↑廊下の独立性、居室の連続性の検討